Friday, April 26
Shadow

5576ドライバ情報

それまでまちまちであった日本語配列が5576-A01において統一された過程を前史1で書きました。現在の日本語PCはほぼすべてこのA01配列を元にしています。キーボードはPCにとって本質的な要素の一つなので,Windowsではキーボードドライバは基本ソフトにあらかじめ組み込まれているのが普通です。したがって,標準日本語配列キーボードを装備する日本語PCには,その標準配列用のドライバ(キーボードを駆動するためのソフト)が装備されています。

非標準扱いに格下げになったとは言え,Windows 98までは,A01以前の5576系鍵盤,すなわち5576-001,002,003の3機種のドライバが組み込まれていました。したがってWindows 98まではデバイスマネージャーからドライバの変更をかけることで,これらの名機を使うことができました。

しかしWindows 2000以降ではこれら3機種がサポートから外され,デバイスマネージャーからのドライバ変更ができなくなりました。しかし不思議なことに,Windows 2000ではドライバファイルそのものはWindowsに残され,以下に説明するある特別な設定をすることで専用のドライバファイルを読み込むことができます。Windows Meではドライバファイルが削除されてしまったものの,次期OSのWindows XPでは再び復活したようです。これで当分は5576マニアは安心できるでしょう。

Windows2000におけるドライバ更新の画面。写真では「101/102英語キーボード」になっていることが確認できます
Windows2000におけるドライバ更新の画面。写真では「101/102英語キーボード」になっていることが確認できます

キー入れ替えによる方法

ただし,その設定にはレジストリ操作という初心者には危険な操作が付きまとい,万人にお勧めできる方法ではありません。そこで,おすかーすまいるさんの下さったメールにしたがい,「専用でないドライバの上で5576-002(または003)を使えるようにする」方法を考えてみましょう。

上記5576の3機種と現在の標準配列キーボードは,単にキー配列が多少異なるだけで,The PC からPC/XT前期の鍵盤のように走査コードが根本的に異なるわけではありません。したがって,ドライバを101標準配列のままにしていても,かな漢字変換など特殊キーを使う機能は別にして,アルファベットを打つ限りは普通に使えます。矢印キーも,挿入と削除,HomeとEnd,前ページと次ページ,CapsLock,左右Ctrl,左右Shiftなどなど,語101の標準ドライバで問題なく動作します。記号の類も,「\」などを除き,英語101ドライバで刻印どおりに入力できます。

使えないのが半角/全角キーです。左Altに対応するキーもありません。そのため一番困るのがIMEの起動です。一応,タスクトレイにあるアイコンをマウス操作することでひらがなモードにはできますから,日本語または英語だけを使う方には問題ないと思いますが,多くの人は,日本語をベースにたまに英語を入れるという使い方をしているのだと思います。キー一発でIME起動ができないのは大変不便です。

キー入れ替えソフトはいくつもありますが,ためしに,秀Capsというキー操作支援ソフトを使って003のIME起動に挑戦してみました。私の環境(Windows2000)では,5576-003のひらがな,変換,無変換キーへの割り当てはうまくいかないみたいですが,右Ctrlで「漢字ON」は大丈夫です。英語入力モードの時にCrtlを押すとIMEが起動します。Altキーを使わない人ならば右Alt(「前面キー」と表示されています)に「漢字OFF」を割り当てておけば日本語⇔英語の変換に関しては問題ないと思います。

おすかーすまいるさんはATOKのキーカスタマイズ機能を使って,Ctrl+TabでIME起動をさせているそうです。おそらくAltIMEなども使えることでしょう。レジストリ操作よりはずっと気軽にできますので,いろいろ試してみるのもよいと思います。

秀Capsの設定例。
秀Capsの設定例。

レジストリ操作による方法

以下にOSごとの設定方法を記します。レジストリエディタでの誤入力は致命的に危険なので,初心者は上記のキー入れ替えソフトをお使いになることを勧めます。自己責任の上で試みてください。多少目的は違いますが,Windows 2000におけるキーボード選択についての同趣旨の解説が,@ITのサイトで掲載されていますので,そちらもご覧ください。