UNI04C6
Unicomp Model: M
Unicomp Part Number: UNI04C6
Modification of IBM P/N 1394047
いわゆる85-key Space Saverです。Unicomp製です。鍵盤の裏にはやけに真っ白いラベルで,Unicomp Model Mと書いてあります。しかしこのラベルの周りをよく見ると,古いラベルをはがした跡があります。もちろん新品で買ったのですが,このあたりのあやしさがいかにもUnicompで,鍵盤趣味者としてはうれしい限りです。
想像するに,IBMもしくはLexmarkから流れてきた在庫の筐体があったのではないでしょうか。あるいは本来はOEM品として製造する用の筐体があったのではないでしょうか。実際,上記の通り,Modification of IBM P/N 1394047(IBMの製造番号1394047を転用[修正]したものだ)と書かれています。
ロゴは青色です。このことから,1394047という型番が1990年代のものであることが推測されます。ロゴの色と合わせるかのように,「K」を中心とした位置に数字が青で刻印されていて,なかなか素敵です。さらに,なぜか*印が,IBMの他の鍵盤と異なり☆みたいな形をしていて実にキュートです。これらの青色印刷以外は,すべてのキーには黒色が使われています。AltやSysReqもその例外ではなく,黒が使われています。
Enterキーの形状は1391401とは異なり,日本語鍵盤と似た逆L字型です。これも親しみが持てます。その代償というべきか,左シフトキーが切り詰められていて「|」キーが付いています。私としては,Latexで原稿書くときはちょびっとうれしいかもしれませんが,ほとんどの日本人にはご利益はないと思います。むしろShift+TABが使いにくいのが相当不便です――と書いていてふと気付いたのですが,ひょっとしてShift+TABを使う時は,普通の人は右Shiftを使うのでしょうか。
キートップは着脱式です。しかし1391401など往年の名機に比べると,キートップのプラスチックの成型精度がやや劣ります。上から見ると裾に微妙にバリがでているのが見て取れます。買った当初はHomeとPageUpキーのバリ同士が引っかかって,片方を押したら他方がつられて押される感じでした。ぬお,不良品か?と驚いたものですが,バリをほんのちょっと削ったら直りました。注意深く観察すると,白いキーと灰色のキーの表面の凹凸が異なっていることがわかります。白いキーの表面が灰色のキーに比べてややすべすべしています。このような相違は1391401には存在しません。その後継機42H1292では白色灰色共通にややすべすべしたキートップです。キーを外してみると黒い基板が顔を出します。
例によってスピーカの穴がありますがスピーカは入っていません。手前の穴は液体を鍵盤にこぼした時の水抜き穴です。さりげなくこのようなからくりを備えているところが,ビッグ・ブルーの余裕と誉めておきます。ただし42H1292と同様の,省略版の排水構造です。鋼板の上と排水口をつなぐ道がつけられているわけではありません。
キーを横から見ると,IBM伝統の湾曲配位になっていることがわかります。とても打ちやすいです。これを書くために自宅PCに本機をつないで打っていますが,仕事場で使っているSpace Saver Keyboard II にくらべて,やはり誤打は少ない気もします。
2001年8月現在,新品が秋葉原で手に入ります。Unicompのサイトでも販売しています。Yahoo Auctionsでも新品が出品されているようです。1万円前後でしょうか。なお,中古品の購入を検討されている方は,上に述べたキートップの表面の凹凸の特徴にご注意ください。新品であっても,白色キーに関しては表面がやや滑らかに加工されています。これは磨耗ではありません。